駆け抜ける森 見上げた空

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2016-07-24から1日間の記事一覧

「みゃう」①猫の恩返し

このところ、ペットを飼う人が増え、家族のように一緒に生活する家庭が増えているらしい。とくに、猫が人気らしく以前は犬と半々だったのが現在では猫の方が圧倒しているとも聞く。 この猫については、可愛い話や面白い話はもちろん多いが、時に不思議な話を…

プロローグ⑦そして、街路樹

ビルの合間を抜けてきた北風に吹かれながら、最近出来た小さな森の前を過ぎる。 この森も、周辺の連続再開発の結果生まれた成果だ。 明治神宮の森は、木が成長した50年後や100年後の姿を想定して創られたものらしいが、ここはどうなんだろうか。その頃には、…

プロローグ⑥地上の世界

階段を上がりきると、街路樹の並木が迎えてくれる。道路にはカサカサと残された枯れ葉が風に飛ばされていく。 道には朝から多くの車が往来しエンジン音を響かせている。 時々吹く強い北風のなか、歩道には、多分私と同じ類いの人たちが歩いている。 意外と多…

プロローグ⑤成長する迷宮からの脱出

そんな、息の抜けない都会の地下を抜けるために、私は地上を目指す。 確かに便利なのだが、私は、この地下通路があまり得意ではない。

プロローグ④都心環状線の思い出

よく「譲りあいの心が大事」というが、ここでそんなものを発揮したりすると、途端に一歩も動けなくなる。 隙あらば入って来る人の列に身動きが取れなくなり、後ろの人に押されたり、悪ければ怒鳴られる。

プロローグ③ドアの前の人

そんなことを思い出していると、再び車内がざわつき始めた。次の駅ではほぼ半数以上の人が入れ替わる。 私も降りる駅だ。

プロローグ②電車のシートに思う

やがて列車は減速をはじめ、車内はにわかにざわめき始める。 次の駅は、この路線でも乗降客が多い駅のひとつだ。網の目のように都内に張り巡らされた地下鉄では、大抵の場合、目的地までの間に数度の乗り換えをする。 程なくして列車は止まり、開いた扉に向…