そんなことを思いながら歩いていると、広い敷地の建物を壊し、新しく再開発を始めている区画に出た。この辺りは、ドミノ式の処以外にもあちこちでビルの建て直しや再開発が行われている。面白いもので、建物は一端取り壊されると、元々そこに何があったのか思い出せなくなる。
そして、それはこんな大きな建物に限らず、身近にあったはずの小さな店でも同じ現象が発生する。そこにあって当たり前と思っているものは、そこに行けば判ると思っているからなのか、記憶から抹消されるのかもしれない。まあ、そこまで意識的にやっている人もいないだろうとは思うが。
昼休みに、こうしてぶらぶらするのは楽しいのだが、意外と時間が経つのも早い。
少し離れた処に、某グルメ番組で紹介された天ぷら屋があるのだが、25分歩いても辿り着けなくて、諦めてそのまま戻ったことがある。
また、別の日には、銀座のカレー屋に行ったこともあったが、そのときは往復ダッシュだった。
この辺りは、お店も沢山あるのだが、街も大きいので行きたい店は結構散らばっている。
もう少しコンパクトな方が、日常的に過ごす街としては適しているように思う。
まあ、バスや地下鉄を使えばよいのだが、ランチにそこまでするのも気が引ける。
以前見たテレビでは、地下鉄を使って昼休みの間に毎日いろんな店のランチを食べ歩く人が紹介されていたことがある。
確かに、この辺りならそんな楽しみかたも可能だ。
世の中、いろいろな人がいるものだと思って見ていた記憶がある。
街の中は、一度飲食店などに吸い込まれていた人たちが再び戻り、足早に自分の持ち場に戻る人たちで賑わい始めた。
さて、私もそろそろ戻らないと。
その前に、お昼はどうするか。
もう蕎麦屋に入ってる時間も無さそうだ。
パン屋の焼きたてパンにするか、それとも馴染みのおむすび屋にするか。