駆け抜ける森 見上げた空

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プロローグ④都心環状線の思い出

よく「譲りあいの心が大事」というが、ここでそんなものを発揮したりすると、途端に一歩も動けなくなる。

隙あらば入って来る人の列に身動きが取れなくなり、後ろの人に押されたり、悪ければ怒鳴られる。

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 ちなみに、似たような状況は、デパートの出入り口や首都高の都心環状線の入り口でも発生する。

私は以前、デパートの出入り口で前から来る老婦人に道を譲ったことがある。

善意からの行為だったが、その後から後から隙間なく人が続いて、何時までも入れなかった事がある。

自分と同じ「善意からの行為」を他人に期待しても得られないことは往々にしてあるということを、私はその時に学んだ。

結局そのときは、私の後ろに列が出来てしまい、前から来る人の中へ、隙を突いて半ば強引に入った記憶がある。

 

都心環状線の合流では、首都高での運転に不馴れな友人が、タイミングを測れず停まってしまい、後ろに大渋滞を作った事がある。

通常、高速道路の合流では導流帯があり、 お互いにスピードを合わせてスムーズに合流出来るようになっている。しかし、日本の高速道路の黎明期とも言える時期に建設された首都高速道路都心環状線には、この導流帯が無い。従って、ある程度運転に慣れていないとスムーズに合流するのは難しい。

また、都心環状線では、出入り口が分かりにくい上に右にあったり左にあったりので、やっぱり慣れてないと通りすぎてしまったりする。

ちなみに、その友人は、私と一緒に都心環状線を3周した。

1周目は気が付かずに通り過ぎ、2周目には気付いたけど車線変更が間に合わず、3周目でようやく出ることが出来た。

悪戦苦闘する彼の隣で、私は流れ行く夜景を眺めながら夜のドライブを楽しんでいた。