みゃうがいない夏は、あっという間に過ぎていった。
秋になり、次第に木々の葉が色づき、風に舞う様子を、誰もいない部屋の中から眺めた。
やがて、冬枯れの木々を冷たい北風が揺らすようになっても、それは変わらなかった。
そして、季節は流れ、また、春が来た。
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戸を開けて、中に入ろうとすると、何かが足元をすり抜けた。
みゃうだ。
私は慌てて扉を閉めた。
今の様子を奥さんに見られてないだろうか。そう思うとドキドキだった。
「おまえ、どこにいたんだよ」
今まで、その辺の茂みにでも隠れていたのだろうか。それにしては、よく見つからなかったな。
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